<柔らかいスピーカーと硬いスピーカーで比較実験> 柔らかいスピーカーと硬いスピーカー(以下、ソフトエンクロージャーとハードエンクロージャー)は、 耳で聴き比べてみると明らかに違いがあります ソフトエンクロージャーだと音が柔らかく聞こえ、ハードエンクロージャーだと音が硬くて痛いのです 計測でどのような違いが出るのかやってみました 使用したスピーカー 65mmのフルレンジユニットを使用しました 柔らかい方の樹脂はTPU 硬い方の樹脂はPLAで、サイズは同じでどちらも吸音材なし 3Dプリンターで作っています どちらもエンクロージャーの厚みは同程度で薄く、柔らかいほうは指で簡単に凹みます 黄色いほうがハードエンクロージャーです 正弦波を鳴らして全高調波歪を調べてみた マイクとの距離は30cm 和室で測定 測定してみると、違いがはっきりと出ました 64Hz、128Hz、200Hz、1000Hzで比較しました 1000Hz以上だと、ほとんど違いは有りませんでした 200Hzを鳴らした時の音を重ねてみました (この図の測定はiPhoneに測定用マイクを付けて、グラフは8秒減衰にしています) ハードエンクロージャーのほうが、歪(雑音)が多く出ていることがわかります ※理想的な歪のない音は、一番左の200Hzの山の部分だけのときです 考察 ・柔らかいスピーカーエンクロージャーのほうが歪が少ないことが分かった ・1000Hz以上ではあまり違いがなかった ・硬いエンクロージャーはそれ自体がユニットの振動を受けて響いてしまうことや、 エンクロージャー内部で音が複雑に反射し、残響音を残すことや、定常波が発生しやすいため に雑音が多いのではないだろうか? (硬いエンクロージャーで歪を少なくするには、エンクロージャーが振動しないように質量を重く することや、定常波を減らすために吸音材を詰めること、内壁の平行面を無くすこと等が必要) 2022/04/26更新
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